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雑草という草はない

自然農法でお野菜を栽培しております。

傍から見ると草が旺盛にはえ、お野菜の力が弱まるのではと思われるかと思います。

私は面倒くさがり屋で草刈りがとっても苦手なのですが、草の種類によってはお野菜と共生し、むしろ草があることでお野菜のパワーがアップすることもあるように感じます。

私の畑では冬から春先にホトケノザがよく畝に現れますが、ホトケノザが生えているとお野菜と共生し、むしろ良く育っている印象ですし、地力のサインとして少量の肥料でもお野菜が育ちやすい環境であることを表しています。

また、夏場はスベリヒユも生えます。スベリヒユはトマトやピーマンの畝近くに生えますが、夏の直射日光からお野菜を守り、お野菜の光合成を助ける効果もあるように感じます。

挙げればきりがないですが、草ひとつひとつにも意味があるんですよね。

昭和天皇は下記のエピソードが有名です。

昭和天皇が留守中に、お住まいの庭の草を刈った侍従の入江相政に天皇は尋ねられた。

「どうして草を刈ったのかね?」

入江は、ほめられると思って、

「雑草が生い茂って参りましたので、一部お刈りしました。」

と答えた。すると天皇は、

「雑草という草はない。どんな植物でもみな名前があって、それぞれ自分の好きな場所

で生を営んでいる。人間の一方的な考え方で、これを雑草として決め付けてしまうのは

いけない。注意するように。」と諭された。

入江相政「宮中侍従物語」

皆さんから見て雑草でも、私から見たら畑からのサインで、こうして欲しいと言ってもらえてる気がします。

今後もともに生きていこうと思います。

冨岡 真弥