こだわり
こだわりポイント①
「土」
お野菜を作る上で一番大切なのは、「土」だと考えます。
土の中には、虫や目に見えない微生物がたくさん住んでいます。この子たちが循環の中でバランスをとっていることで、自然環境にもお野菜にも最適な状況を作り出すことができます。
化学肥料や農薬を使うと、一時的に畑の栄養分が高まり、たくさんの野菜ができます。
しかし、畑の中の虫や微生物は薬が苦手で、農薬を使えば使うほど虫や微生物が住めない畑になってしまいます。
今までと同じように農薬に頼り過ぎた農業をしていると、10年、20年、30年といった長い目で見ると環境破壊につながってしまう恐れがあります。自然の恵みを受けて生活を営んでいるはずの農家が、自然を破壊するような農法を続けているのは甚だ疑問です。
私は、今後も生まれ育った山口県下関市安岡の土壌を豊かにし、虫や微生物が生き生きと過ごせるような環境を作っていきます。
土と自然を良くしていき、美しい環境を子供たちにつなぐことが私の夢であり、目標です。
こだわりポイント②
「堆肥(たいひ)」
堆肥とは、稲わら、落ち葉、家畜ふん尿、生ごみなどの有機物を、微生物の力を使って分解させ、成分的に安定化するまで発酵させたものをいいます。
私はその中でも厩肥(きゅうひ:家畜のフン)などを一切使わず、地元にある植物を利用し、時間をかけて発酵させ堆肥としています。
①刈り草
②もみ殻
③ぼかし肥料
米ぬか・菜種油かす・牡蠣殻を使用して手作りしています。
④落ち葉
⑤竹炭
こだわりポイント③
とことん地元のものを!!「身土不二」
私の好きな言葉で、「身土不二(しんどふじ)」というものがあります。
聞きなれない人が多いと思いますが、これは仏教が起源の言葉であり、「身と土は、二つとなく、一体である」という教えです。
「地産地消」といえば分かりやすいかもしれません。地産地消とは、地元で作ったものを地元で消費することで流通にかかるコストを抑えることができ、新鮮なお野菜を食べられるメリットがある考え方です。
しかし、深く掘り下げて考えてみると、コストや鮮度だけでなく、もっと大切なことがあるように思います。
野菜も生き物ですので、自然環境に適合するように変化をしています。
例えば、沖縄のような熱帯気候では、ゴーヤといった野菜ができます。ゴーヤは夏バテ対策に良い野菜であり、沖縄の夏を乗り越えるために適した食物といえます。
また、北海道には越冬野菜といった雪の下の土で貯蔵できるような、だいこん、にんじん、ごぼう、じゃがいもなどの根野菜が多くあります。そして、越冬できる根野菜を食べると身体が温まると言われており、寒い地方にぴったりな野菜といえます。
つまり、その土地、その気候、その時期(旬)に育つことができたお野菜は、その環境を乗り越える力を持っています。
これらの野菜を自分の体内に取り込むことで、自分が住んでいる土地の環境で生活するのに適した身体を作ることができるのではないでしょうか。
最近耳にする「パレオダイエット(旧石器時代の生活をするダイエット法)」の本に、オーストラリアの大人をオーストラリア原住民のアボリジニと同様な環境で生活させるお話がありました(食事だけでなく生活環境も原住民に合わせる)。
結果は…
1日の摂取カロリーが自然に1,200kcalまで下がった。
参加者の体重が平均で8キロ減った。
空腹時の血糖値が正常になった。
中性脂肪の数値が激しく下がった。
…など劇的な改善効果があったと言われています。
この実例は、自分の考えていることと非常に一致していました。
旧石器時代の日本にないような食事は、カロリー過多になり、万病につながる恐れがあります。
昔からあるお米やお野菜などをバランス良く、そしてなるべく自分の遺伝子レベルでの出身地に近い食生活(海の近くに住んでいるなら魚介類や海藻など)を心がけることで、心身ともに健康になると思います。
なので、私は地元の人にこそ、地元で作ったお野菜を積極的に食べていただきたいと考えています。
また、日本全国の人に旬のお野菜を食べてほしいと願っています。それが心と身体にとって最も良いことですし、私にとっても、みなさまの健康のために役に立てていることをとても嬉しく感じます。
日頃なかなか意識できない食生活ですが、なにか不調だなと感じるその時こそ、いま述べたことを意識して食事を改善してみることをおすすめします。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
一人でも多くの方に私のお野菜が届くことを願って。